相続が発生!何をすればいいの?

<法定相続人を把握する>
 死亡した方(被相続人)の財産は、正式な遺言で特別な指定がない限り、
プラスの財産もマイナスの財産も「法定相続人」が相続することになります。
配偶者は常に相続人になり、配偶者以外は、子供、直系尊属(父母・祖父母)、兄弟姉妹の順序で相続人になります。
また、配偶者や子供のいない方はその方の親又は兄弟姉妹が法定相続人となります。
トラブルになりがちなケースとしては、離婚した前妻(前夫)の子供がいる場合等で、
その子供と連絡が取れず相続手続きができなくなってしまうこともあります。

<相続財産を把握する>
 本来の相続財産として、不動産、有価証券、現金、預貯金、相続開始前3年以内(2024年からは7年以内)に
贈与された財産、債務などがあり、みなし相続財産として死亡保険金、死亡退職金などがあります。
相続財産を評価する際には、小規模宅地等の特例を使うこともできます。
 プラスの財産より債務などのマイナスの財産の方が多い場合は、相続を放棄することも、
又その範囲内で相続するということもできます。

<相続税を確認する> 
相続税は、相続財産から基礎控除額、死亡保険金や死亡退職金等の非課税限度額を引いた額(課税遺産総額)に課税されます。

基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人数
非課税限度額=500万円×法定相続人数

例えば、相続人が配偶者と子供2人の場合の基礎控除額は
 3,000万円+600万円×3人=4,800万円
になります。
相続財産がこの額以下であれば相続税はかかりません。
相続税がかかる場合は、まず、法定相続分通りに分けたとして相続税総額を計算し、
その後、実際に相続した割合で各相続人の相続税を計算します。

相続税の速算表

法定相続分に応ずる取得金額税率控除額
1,000万円以下10
3,000万円以下1550万円
5,000万円以下20200万円
1億円以下30700万円
2億円以下401,700万円
3億円以下452,700万円
6億円以下504,200万円
6億円越557,200万円

<遺産分割協議書を作成して相続財産を分ける>
 相続人全員が相続財産をどう分けるかを協議して、「遺産分割協議書」を作成します。
相続人同士の合意があれば、必ずしも法定相続分の割合ではなくてもかまいません。
 この「遺産分割協議書」で不動産の相続登記や預貯金の払い出しを行います。
 令和6年度からは、相続により不動産を取得した相続人は、
遺産分割協議が成立した日から3年以内に相続登記の申請をすることが義務化されます。
正当な理由がないにも関わらず申請をしなかった場合には10万円以下の過料が科されることがありますのでご注意ください。

<相続税の申告をする>
 納付すべき相続税がある時には、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に申告書を作成し、
被相続人の住所地を管轄する税務署へ提出します。

2023年8月公開